待ちに待った本屋大賞!今年の大賞は阿部暁子さん著『カフネ』
待ちに待った本屋大賞が4月9日に発表になりました。今年の大賞は阿部暁子さん著の『カフネ』
本屋大賞の本は必ず買って読むと決めているので、早速購入して読みました。
本屋大賞は本屋の店員さんが今一番読んでほしい本を決める賞です。名のある文学賞とは違って、身近な本屋さんが選んでいるだけあってどの本も読みやすいものばかり。私もそんなに読書に慣れ親しんでいる方ではないですが、どんな人にも読みやすいものが選ばれます。
「本を読む習慣を身に付けたいけど何を読んでいいのか・・・。」と悩む人はまず、歴代本屋大賞の本屋、ノミネートされた本を読んでみることをおススメします。
『カフネ』 あれ?まさかのミステリー??
今年の大賞『カフネ』は家事代行サービスを舞台とした、心がほっこりする物語。
物語の序盤は主人公:野宮薫子の弟の急死から始まる、ちょっとミステリーな始まり。なぜか死の直前に遺産相続について文書を残したり、姉や婚約者に死後に届くようにプレゼントを準備したりと・・・まさかの怖い話??のスタート。
わたし、あまりミステリーは得意ではなくて・・・。余韻たっぷりのほっこり系と思っていたのに。
本屋大賞もミステリーがあらばれることはあまりないと思っていたのに・・。期待外れ??
やっぱりほっこり、心温まるお話へ
ひょんなことから弟の婚約者、せつなと共に家事代行サービスを手伝うことになった薫子。家事代行サービスを利用する様々な家の事情とそれと向き合う薫子、せつなの様子から徐々に物語は温かさを帯びていく。
苦しさと絶望の中にいた薫子も、人を温めることで、自分の心も温まり、自分の心を満たしていく。そして、徐々に解き明かされる弟の死の真相・・・。
若干のミステリー要素を残しながらも、あたたかな物語へとすすんでいき、気付けば自分の心も温かくなっていき、薫子と共に幸せを感じることができる。そんな素敵な物語。
どん底でもおなかは空く。キーとなるのはせつなの料理
お話の重要な役目を担っているのが、弟の元恋人せつなの作る数々の料理です。家事代行サービスを舞台としていますが薫子は掃除を、せつなが料理を担当します。
せつなの料理がきっかけで、人々が心を満たしていく場面多数。やっぱりおなかを満たすは幸せの基本なんだと読んで実感してしまった。
料理の描写もすばらしく、想像するだけでこちらもお腹がなってしまうような。
読んだ後はなぜは料理をしたくなる。心もお腹も満たしてくれるとっても素敵な作品でした。
『カフネ』Amazonリンク↓